Root kitsuneのルーツ『フォックスという名の白鳥の物語』
これはRoot kitsuneの作者が宇井孝司氏と共同で作製した絵本『フォックスという名の白鳥の物語』のはじまりです。自分が生まれた地を襲った大震災の経験とその後の困難に立ち向かう姿に宇井孝司氏が共鳴しその実体験を元に制作されました。自然の脅威に屈しない人々の逞しさと平和への願いが込められています。
Root kitsuneの作品は一貫して、生き生きとした色彩で逞しく凛とした姿勢で生きることが表現されています。それは作者が被災から得た洞察や色彩豊かな生命の強さに対する尊敬の念が込められており、観る者にそれぞれの形で強く生きることへのメッセージを送っています。
✳︎Root kitsuneの作者について✳︎
都内を中心に活動中。岩手県釜石市で大震災を経験。避難所の生活を経て福岡県へ移住。その後は九州内外で伝える活動を実施。講演会には防災に興味のある人しか来ないという課題に向き合い、ピアノ、声優、絵本、アニメーションなど様々な方法を通して、広い世代に語り継ぐ。しだいに活動を続ける中で言葉の限界を感じ、受け取り手に負担をかけないようにとの思いから、言葉による語り部を中断し、優しい表現方法を求め、アートの世界に出会う。アート活動に専念する中で、植物や動物の生命の力強さと美しさに感銘を受けし、近年の絵画ははこれらを対象とすることが増える。
✳︎宇井孝司氏について✳︎
85年にテレビアニメ「タッチ」で初演出を担当。88年に手塚治虫氏と共同で「森の伝説」の監督を務めた。89年のテレビアニメ第3作「ジャングル大帝」01年「スペーストラベラーズ」02年「葉っぱのフレディ~いのちの旅~」などの名作を世に送り出した。